ジーンズのダメージ加工のやり方

ジーンズ加工の背景

 

ジーンズは当初インディゴ染めのデニムをキレイに保とうとする風潮の方が強かったということを知っている人は少ないと思います。色落ちや不格好な皺ができるのを嫌うので洗濯しない人もいたそうです。

 

もちろん洗濯しない衣服は脚の皮脂が付着してカビが発生するなど不衛生で、生地そのものも傷んで強度が落ちることもありました。そこで洗濯をするわけですが、それでも色落ちを少しでも防ぐために、洗濯石鹸や中性洗剤を使用する事が多かったとされています。

 

実際にはジーンズの色落ち現象は洗濯よりも「アタリ」によるものが原因で、やがて時代は移り変わり、時間をかけて使い込んだ雰囲気の方がカッコいいという風潮になってきたのです。ちなみに「アタリ」とは、ジーンズの腿、膝、ヒップ、裾など生地が厚く突出した部分の色落ちや擦れを意味した言葉で、デニム表面が擦れて(当たって)色落ちすることからネーミングされています。

 

裾部分のアタリは始末がシングルステッチだと縦ジワ状になり、チェーンステッチだと斜めになります。こうして「アタリ」はファッションの要素となったのですが、これを新品で買った時からその状態にしてあるのがいわゆるウォッシュ加工ということで、今回のテーマである「ダメージ加工」の元祖が誕生したわけです。

 

ストーンウォッシュ加工はジーンズのユーズド加工の原点である洗い加工の手法として1970年代後半にエドウインが最初に始めたそうです。但し、あくまでもユーズド加工という範疇で、ダメージ加工はもっとバラエティーに富んだファッション要素にまで発展しています。